課「ちょっと次の依頼、普通の依頼で、必要なスタッフが少数だったら、あやちゃん連れて現場に行ってくれ」
二「現場?何でですか。オペレーター業務でしょ、あたしたちの仕事は」
課「このへん話すと長くなるんだけど、人材育成課のほうで新入社員が4人入って教育担当としてやってるわけだ」
二「あー」
課「去年もそうだったけど新入社員がスタッフの教育に携わるとこっちに回ってくるクレームが増えるじゃない。で、あいつらって『新入社員を教育しながらスタッフ育成をしているため、多少の不備は生じます』とか言ってきてうっとうしいじゃない。あれは本来教育すべき連中が4月、5月にサボる口実だと思うんだよな」
二「まあ、言ってきますね。でも最終的には去年もそうだったけど全部向こうのせいになるんだからそこまで問題じゃないっつーか」
課「それだけじゃ気が収まらない。今年はこっちから釘を刺しておきたいんだよ。上に、明確に人材育成課だけの問題だってことを早めに知らせたいからな、現場に社員をこっちから投入して成功させて、あいつらのプライドを刺激すればいい。違う課の新入社員がわざわざ出向くほど、この時期の人材育成課は信用されてないってことになるからね」
二「う~ん…そうなんですよね。けど、それは比嘉中課長と神楽坂の責任でしょう。あやちゃんが現場に行くのは違わないっすか?うちと向こうがケンカしても」
課「それだけじゃないよ。それだけだったらあやちゃんでなくて、僕や二ノ宮さんが行けば済む話だ。けど、二ノ宮さんが現場に行くときって好奇心とか、依頼料とは別途に出るご祝儀目当てで行くでしょう」
二「ん~。否定はしません」
課「ああいうのはもう会社としてよくないからやめようって。その辺のルール決めを考査するために何回か、社員がスタッフとして現場に行って、その賃金はどうなるのかを明確に定めようって重役会議で上がって、意見を回収するため今月は何人か現場経験のない社員にスタッフとして現場を回ってもらおう、それで意見を募ろうってことになった」
二「でも、それは明確に決めてないから直接現場に行きたいって気持ちになるんであって」
課「それだ。それが問題だ。その最たる例が山瀬だ。あいつのカウンセリングとやらは、辞めたからいいけどいずれ問題になってた。勝手に会いましょうって言って会って、額を決めるのは他の誰でもないあいつだったんだもの。費用は誰もが納得いく明確なルールを作ること。別に締め付けようってだけじゃないよ。二ノ宮さん、直接現場に行ったあと手続きを面倒くさがって賃金をもらわないでしょう。そこんとこもちゃんと給与に反映されるようになるから、協力して」
二「あー。はー。わかりました」
二「そんなこんなで次の依頼の電話、現場に直で行くことに」
あ「 (・`ω・´) すごく納得いかない話です」
二「まあなあ」
あ「人材派遣課なら現場入る必要はまったくないって面接のときに言われたんですけど!どうして人材育成課の問題にあたしたちが立ち入んなきゃいけないんですか?課長が人材育成課に行って怒ってくれば解決するもんじゃないんですか?」
二「向こうの比嘉中課長がまた、自分より上の指摘にしか耳を貸さない人だからね。ちょっと搦め手にもほどがあるにせよ、やり方としてはあながち間違いではないかな」
あ「うちの課長って向こうの課長と仲良くないんですか?」
二「性格が真逆だな。仲が悪いかって言うと、まあそうなのかもしれない」
あ「二ノ宮さんと神楽坂さんも仲よくないですよね」