(廊下にて)
神「あっ」
二「おっ」
あ「( ゚_゚)」
神「ゆうさんおはよーございます、あやちゃんも」
二「おぅ、おはよう。いっぱい連れてスタッフ研修か?」
神「そーですよー。あ、この子たち全員新卒ね」
二「噂の優秀な新卒な」
神「みんなごあいさつして!人材派遣課の課長代行の二ノ宮さんだよ!整列!!」
ぴしっ
あ「Σ (゚Д゚;)」
全員「おはようございます!!!!」
二「…」
神「なおれ」
二「…その、部下の掌握力は本当に見習いたいね」
神「いーえーとんでもない。最近の若い子には礼節から習わせないとダメだからね。あ、そうだ、そうだそうだ。メイカ!ちょっと!」
柳「はい」
神「メイカ、先日ご迷惑をおかけした謝罪をゆうさんとあやちゃんにすること」
二「…いや、いいよ。どっちかっていうとこっちが騒いだだけっつーか」
柳「このたびは私の態度のため人材派遣課に失礼をしてしまい大変申し訳ありませんでした」
あ「…(#゚д゚メ)」
二「こちらこそすいませんでした。ほら、頭下げろ」
あ「(_ _ ")」
神「これで後腐れなしね。いいね、これでいいよね」
二「まあ確執が消えたとは思わないけど…今日はこれでいいんじゃないのか」
神「おっけー、じゃあみんな行くよ。軽く整列!」
全員「お疲れさまでしたー!!」
神「なおれ」
あ「(゚Д゚;)…」
神「じゃーねーゆうさんおつかれー。来週あたし、そっち行くからよろしくねー」
二「あー。お疲れー」
あ「(゚Д゚;)」
二「あの統率力ばかりは真似できないな、大したもんだ」
柳「…」
二「どうした柳田さん?行かなくていいのか?神楽坂、キレるよ?」
柳「すいません。どうしても一言だけ。あなた。藍沢さんあなた。何で挨拶を返さないんですか。あたしにしたくなくても神楽坂さんと他のみんなには言えるでしょ?」
あ「(▼皿▼メ;)…」
二「あ、ごめ、それは実は…」
柳「中途半端だね、あなたは」
神「メイカー!!何してんの!?さっさとおいで!!怒るよー!?」
柳「はい!すいません、すいません!」
二「…」
あ「…」
二「もう怒っとるがな」
あ「…(( ╬◣ 盆◢))プルプル」
あ「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」!!!!!!!」
課「で、何でこうなったの?」
二「具体的に解説厨乙と言われる程度に説明しますと、風邪をひいて喉を壊したあやちゃんなんですが昨日同期の集まりで飲んだあとカラオケまでついてって起きたら完璧に声が出なくなって、オペレーターが声が出なくてどうする、社会人なんだから節度をわきまえろとあたしに怒られた後、廊下を歩いてたら、あとは上を読んだ通りです」
課「解説厨乙。健康管理もできず後先考えずに騒いで、また揉めかけたわけね、くだらない。それと二ノ宮さん、メタ発言は控えな」
二「向こうの柳田さんとはもうダメすね。仲直りは不可能でしょう。でも、まああの言い方はよくないすね。彼女も視野が狭い割に思ったことをすぐに言っちゃうから。あとでもっかい神楽坂に一言しときます」
課「人材育成課のことはもうどうでもいいから仕事の割り振り考えて。声が出ないのに電話番なんかやらせられないよ」
二「いやでも、あやちゃんが怒るのはしょうがないですよ?あの言い方はあたしもちょっと腹立ちましたもん」
課「んなことどうでもいいんだよ!仕事の割り振りを考えろって言ってんの!!」
二「…事務と資料整理に回します。この子の分の電話はあたしが全部取るので」
課「よし、それでいいよ」
あ「…」
二「ん?なに…」
あ「…」
_, ,_ ズバッ
( ’д’)
⊂彡☆
))Д´)
二「口が悪い」
課「な、なんて?」
二「『柳田って制服系の風俗で働いてそうですよね』」
課「ちょwwww」
あ「o(TヘTo)」
LULULULULULU
二「お電話ありがとうございます。多目的人材派遣のKI-TSU-NEスタッフ、担当は私、二ノ宮優有でございます」
赤「優有ちゃんあたしー」
二「赤井様?赤井様ですね。いつもお世話になっております。今日はどうなさいましたか?」
赤「PV作るの。でさあ、10人ほしい。そのうちひとり、できるだけ根性があって健康な子が必要なんだ」
二「DimMasterのPV撮影に10名。そのうちひとり、できるだけ根性があって健康な子が必要なのですね」
赤「うん。で、今回はカヴァーをやってそれのPVを撮りたいんだよね。そんで優有ちゃん、プリンスの『
Silicon』って曲は知ってるかな?」
二「プリンスの『Silicon』のカヴァーということですね。まあ私のような年齢のOLが知ってるわけがない曲でしょうが、知らないと言うと話が長引くので知っているということにしておきましょう。2004年の『slaughterhouse』の曲でむちゃくちゃソリッドでクールなテクノポップですね。私は『
Judas Smile』のほうが好きですが。両方ともうちの社長がベタ褒めしている曲です」
赤「解説厨乙と言わざるをえない。どうもありがと」
二「PVの内容はどのようなものになりますか?」
赤「『うぇるかむとぅーざすらーたーはぅす』って同時にスタジオの扉が内側に開くんだ。で、そこに、ピエロっぽいメイクをした10人が、配置、向きをでたらめに並べた椅子に座って無表情で硬化してるようなシーンからはじまる。あれあれ。『寄生獣』の広川市長の会議中みたいな、全員椅子の向きが違う、みたいな感じ」
二「『うぇるかむとぅーざすらーたーはぅす』というヴォーカルと同時にスタジオの扉が内側に開く。ピエロっぽいメイクをした10人を、『寄生獣』の広川市長の会議中のように全員椅子の向きが違うように配置し、無表情で硬化してるようなシーンから始まるのですね」
赤「そうそう。で、その不気味な空間にうちのAYANEが歌いながら入り込んでその10人の周りをうろちょろして、いろいろ覗き込んだりするんだけどまあそのピエロどもは一切反応なし。硬化してっから」
二「AYANEさんがそこに歌いながら入り込み、けれどピエロたちは硬化しているためAYANEさんがいろいろやっても一切反応しないということですね。わかります」
赤「で、曲の中間で『だぶだぶだぶりゅー、だっこーん♪』ってあたりでAYANEがその部屋にあるパソコンに気づくんだ。で、キーボードをちょこちょこ動かしてると、『この人形を解凍しますか?』っていうダイアログが出て、AYANEは『はい』をクリックすんだ。あ、人形ってピエロのことね」
二「曲の中間地点、楽曲的には『だぶだぶだぶりゅー、だっこーん♪』の辺でAYANEさんが部屋の中のパソコンに気づく。そしてキーボードを操作していると『この人形を解凍しますか?』っていうダイアログが出る、と。そしてAYANEさんは『はい』を押すのですね」
赤「そだね。で、AYANEは面白がって一気に9人分、解凍するわけ。で、解凍した人形はコーラスをしたりダンスをしてくれるわけよ、でも最後のひとり、要するにその子が要なんだけど、その子は最後まで解凍してもらえないわけ」
二「少々お待ちください。ダンスですか?ダンサーをつまり、現段階で9名必要ということになりますが」
赤「いんや、振り付けは簡単なもんをちゃんと時間をかけて練習させるから、普通の運動神経があれば踊れるよ。素人で問題ない。それに、最後の一人は最後まで踊らないよ」
二「はて。最後のひとりは最後まで踊らないと。では、最初にお伺いした『根性があって健康』というのはどこで必要になるのでしょうか」
赤「それなんだよ。AYANEが『でぃ おーにーおーにーおーにーおーにーおーにのー♪』って歌いきったら、解凍してもらった9人の人形はAYANEと一緒にそのスタジオを出るわけよ。で、AYANEはそこを外側から3重くらい鍵をかけて、最後の一人を完璧に閉じ込めてフェードアウト」
二「…AYANEさんが『でぃ おーにーおーにーおーにーおーにーおーにのー♪』と歌いきる。解凍された9名の人形はAYANEさんと一緒にスタジオを出る。AYANEさんは外側から3重くらい鍵をかけ、最後の一人を完璧に閉じ込めてフェードアウトする。赤井様、少々私には趣旨が…」
赤「その最後の人形は3日くらいその部屋に閉じ込めっきりで、3日後に開けたときの様子を撮ってフィニッシュで持っていきたい」
二「お待ちください赤井様。私には二つ返事でお受けしますとは言えない内容になってしまっております」
赤「いやわかってる。わかってるんだ。だからこそ優有ちゃんに頼んだんだよ」
二「人命に関わる内容の依頼をここですぐお受けするわけにはまいりません。そもそも世界観はいいのですが設定が乱雑すぎます。3日間ほったらかしで、食事はどうなるのですか」
赤「食事はないよ。何甘ったれてんの。でも部屋にトイレは用意するよ、悔しいけどそれくらいは。でも心配しないで、携帯の電波は入らないし、部屋は防音だから悲鳴とかは外には漏れないよ」
二「だwかwらw甘ったれるの意味がwwwわからないw文脈がおかしいwww一種の監禁ではありませんかwww」
赤「まあ、『slaughterhouse』ってのが『屠殺場』って意味だからな、理にかなってるよ」
二「かなわせちゃいけないwwwそんな理はかなわなくてwww」
赤「前回あやちゃんを使ったときのリスナーへの衝撃はすごかった。まさか5日で放送禁止になるなんて。あれを越すにはこの構想しかないんだ」
二「越さなくていいww越してどうするwwまた放送禁止沙汰になりますwww」
赤「3日で放送禁止になってもいいんだ、今回のシングルは大事なんだよ、シングルがミリオンヒットしたのにPVが過激すぎて視聴できないなんて最高じゃん」
二「お受けできませんwお受けできかねますwww」
赤「そこを何とか、今回はケチんない、300万出せる」
二「お受けできかねますwww」
赤「これはKI-TSU-NEスタッフとDimMasterにおける輝かしい一歩になるよ」
二「私には深淵の暗黒に向かう転落への一歩にしか見えませんwww」
柳「二ノ宮さんありがとうございます、わざわざあたしなんかをDimMasterのPVの依頼に3日も専属派遣してくださるなんて。本当に光栄です」
二「時間もあるしご飯食べに行こう、おごってあげるからお腹いっぱいにしとこうか、今のうちに」
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